動物の潜水行動を調べる時に、まず最初に行うことは潜水の開始時間と終了時間を調べることである。深度を計測するロガーを使っていれば、潜水していないときには深度が0mになり、0m以上の値になった瞬間から水中に潜ったと考えればよいのであるが、実際には、ロガーが記録する値には多少の誤差がでる。そのため、測定された深度データが0m以上の時が潜水中であると単純に考える事が出来ない。
筆者はリトルレオナルド社のM190L-D2GT(以下、D2GT)を使用している。ヨーロッパヒメウから得られたデータの深度と温度の関係を散布図にしたものがFig.1である。水中にもぐっているときの温度は10~15℃であり、陸上にいたときには30℃以上までロガー温度が上昇したことが分かる。深度0m近辺を拡大表示したのがFig.2である。温度が上昇すると徐々に深度が大きくなっている事と20cm前後の深度データのブレがあることが分かる。これらはロガーに起因するエラーであろうと考えられる。
深度データを補正するプログラムは現在も幾つか存在するが(LoggerTool?のSurface、リトルレオナルド)、これらは深度データのみを元に補正を行っている。本プログラムでは、温度データを用いて深度データの補正を行う。
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動作環境 : Windows XP, Vista またはMacintosh OS10.5 Leopard 以上
Igor Pro 5.05以上
Ethographer Ver1.2以上
バージョン: 2.0
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- WaterSurface_D2GTは、深度データの補正をするプログラムです。
- ロガーで測定された深度データから、陸上(水面)にいた時刻を深度0mに補正します。
- M190L-D2GT(リトルレオナルド社)に対応しています。
- Ethographer上で動作します。
※ Ethographerのバージョンが古いと動作しません。その場合には、ver1.2にバージョンアップしてください。ダウンロードしたファイルには、プログラムとマニュアルが含まれています。⇒⇒ ■■■ Download WaterSurface_D2GT ■■■